●顎の調子が悪い


■顎関節症(TMD)について

 顎の関節は、人間の関節の中で最も酷使されている関節と言って良いでしょう。
 食べる、しゃべる、飲む、すべてにおいて使われ、また、寝ている間も休むことがありません。そのためにさまざまな故障が起こりうる関節であり、症状としては口が開けにくい、開けると音がする、頭痛・肩こりがする、姿勢が悪くなる、ひどい場合は耳鳴りがすることもあります。

●原因:ストレス、外傷、不正咬合、歯ぎしりなどの口腔習慣などが原因と考える多因子説や、女性に多いことからエストロゲン(女性ホルモン)関与説、またそれだけでは説明がつきにくいものには突発的な概念が組み込まれたり、まだまだこの病気の原因については議論されております。

●現在の治療の考え方:現在、世界中の顎関節学者の多くは、原因がいまだ解決されていない現段階で非可逆的、侵襲的な治療はすべきではないと述べております。ここでいう非可逆的、侵襲的治療とは顎関節症を治すために歯をむやみに削ったり外科手術することなどをさします。そして彼らは可逆的、非侵襲的治療であるスプリント療法、運動療法、温熱療法、悪癖・悪習慣の除去、行動・心理療法などを薦めております。  しかしながら一方では、正しく咬合治療をなされたらかなりの効果があるという立場をとる者もおり、現在、これらの二つの立場で論争が行われております。

 当院では世界の論争点を充分に踏まえた上で、皆さんの症状に合わせた最良の治療法をお勧めしていきたいと考えております。

 

治療の例 
※パープルで表記した部分の写真は、下のプロジェクターでご覧になれます。
筋肉の症状が主の場合 消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、ビタミン剤の内服や消炎鎮痛剤の貼付
筋肉の負担を少なくするスプリントをつける
「レーザー治療」、「東洋医学の併用」、「運動療法」と「悪習癖(歯ぎしりや噛みしめ)の除去」など
※レーザー治療のページ
関節にズレがある場合 関節内に麻酔をし、手でズレを元に戻す「徒手整復」を行う
ズレを戻すようなタイプのスプリントの併用
必要に応じてズレを戻すような手術など
強い痛み、炎症が
見られる場合
内服にくわえてステロイド剤の関節内注射など
関節の変形を伴う場合 軟骨保護剤などの関節内注射
必要に応じて骨を削る手術など
その他、精神的な要素が考えられる場合など、治療は多岐にわたります。
かみ合わせが原因と思われるものに関しては冠をかぶせたり矯正が必要な場合もあります。 いずれにしても長期にわたる治療が必要と考えてください。