歯周病とは、不十分な歯磨きによって歯と歯ぐきの間に歯垢がたまり、歯垢内の細菌が歯肉の炎症や歯を支える骨の吸収を引き起こす病気で、抜歯原因の1位となっております。細菌の中でも近年ではPg菌(Porphyromonas gingivalis)が悪玉菌として注目されており、当院ではPg菌にスポットをあてた治療を併用しております。
また、細菌以外にも不正咬合や歯ぎしり、喫煙、ストレスなども歯周病の原因とされております。
歯周病は日本人成人の80%が罹患しているとも言われていますが、自覚症状が無いことから発見が遅くなり気付いた時には手遅れになっていることも多いので、たとえ症状がなくとも常日頃から専門医によるチェックと予防を心がけることが大切です。
また歯周病に関するQ&Aは日本歯周病学会HPをご覧ください。
一部マスコミにより、歯周病治療機器「パーフェトペリオ」が話題になりましたが、当院では日本歯周病学会の見解を支持しております。
喫煙の身体に対する有害性については右図のように今さら説明の必要はないかと思います。
これだけではなく実は喫煙は歯周病とも密接な関係があるのです。喫煙者は非喫煙者に比べて2~8倍の危険度で歯周病にかかりやすく、さらに喫煙による不快な口臭、味覚の鈍磨、歯・歯肉の着色など口腔内環境は悪化します。
近年では副流煙により子どもの歯肉にも着色などの症状がみられると報告されており、ご本人の健康だけではなく、大切な家族の健康までも危険にさらしているという事実を是非、ご理解いただきたいと思います。
また歯周外科治療やインプラント治療の際、喫煙により血流が阻害されるため傷の治りが悪い、思ったよりも骨ができないなど、しいては手術の失敗につながることもあるので、海外では手術に先立ち禁煙指導を行い。禁煙できない方の手術は禁忌(手術してはいけない)とされております。
当院も手術の際、原則として海外に準じさせていただいておりますのでご了承ください。
大事な身体を蝕むだけで何のメリットも無い喫煙!
思い切って止めることが健康への第一歩だと思います!!
歯周病学会でも禁煙を強くお勧めしております。
http://www.perio.jp/
禁煙サポートサイト いい禁煙
http://www.e-kinen.jp/
館ひろしさんも禁煙 すぐ禁煙.jp
http://www.sugu-kinen.jp/
治療前(歯周病で右上4番目の歯の歯肉が腫れている状態)。
生活歯、破折なし、レントゲンで透過像がみられる(矢印)。
再生手術術中写真
不良肉芽を完全に掻爬し歯の表面を清掃後、骨欠損部にエムドゲイン、骨補填材(β-TCP)を填入し、その上を遮蔽膜(membrane)で覆って歯肉が中に入り込まないようにして創を閉鎖した。
6ヶ月後、リエントリー時の口腔内写真。
membraneを除去し切除手術(骨を平坦化し要らない歯肉を切除)を施行した。
骨が無くなっていた部位には骨が再生されているのがみられる。
手術から1年後。
ポケットの深さ2mm以下、付着歯肉ができ、レントゲン上でも骨の再生が認められる。
再生治療には、遮蔽膜(membrane)を使用するGTR法、歯周組織を再生するタンパク質(エムドゲイン)を使用するEMD法、自家骨を移植する方法、成長因子(PDGF等)を使用する方法、そしてそれらの併用法があり、この症例では骨の吸収範囲が大きかったため併用法を用いました。
2017年より歯周組織再生剤「リグロス」が保険適応となりました。
リグロス術中写真
術前レントゲン写真:矢印部に骨吸収がみられる。
術後8か月のレントゲン写真:骨吸収部に骨の再生と思われる改善がみられる。
結合組織移植術とは歯肉を増やす処置です。どこか他の部分の歯肉の一部分を採取し、増やしたい部分に移植するといった方法です。
この手術の目的は、単に見た目を良くするだけではなく、歯肉を厚くすることによって歯肉の安定性を増し長期予後が見込めるようにすることです。
▼症例A
術前
結合組織移植術中
結合組織移植術中
術後
▼症例B
術前
術後